MPNは、アーティストやミュージシャンに著作隣接権使用料等の分配を行っている団体です
一般社団法人演奏家権利処理合同機構MPN
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2015/01/30

MPN新年会「ARS NOVA 2015」開催

1月23日(金)ホテルオークラ東京において、MPNが日頃お世話になっている音楽、放送、通信、行政、その他各界の関係者の方々約400名のご来場を得て、MPN新年会「ARS NOVA(アルス ノヴァ)2015」が開催されました。

冒頭、当会 椎名和夫理事長が挨拶に立ち、以下の所信を表明しました。

椎名和夫理事長
椎名和夫理事長
2015年という今年は、実演家の権利処理において、いくつかの特筆すべき出来事が予定されている。ひとつは映像実演、とりわけ放送番組に関する権利処理機構を一元化するという試みについて、総務省のご支援のもとに進めてきたIT化の実証実験とも並行する形で、2009年から5カ年を費やして準備が進められてきたものだが、4月1日をもって、一般社団法人映像コンテンツ権利処理機構(aRma)が、一任型と非一任型の業務を併せて行う著作権等管理事業者として、自立運営を開始する。もとよりコンテンツの利用の円滑化については、世界規模で著作権、著作隣接権の権利者に課せられた大きな命題であり、権利処理の集中化は、その解決策としてきわめて有効な選択肢であると考えている。

この4月1日を迎えることができるのは、総務省はもとより、このプロジェクトを確信的に進めてこられた堀会長をはじめとする一般社団法人日本音楽事業者協会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 実演家著作隣接権センター(CPRA)、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人映像実演権利者合同機構(PRE)など関係する権利者団体と、また我々に向き合う形でのNHK、民放など放送各局、そして誰よりも、それぞれのお立場で実務に従事されてきたスタッフの方々、それらの皆様の深いご理解と真摯なご努力があったればこそのことではないかと考えている。この流れを及ばずながらお手伝いさせていただいてきた立場から、関係者の方々にここで改めて心よりお礼を申し上げたい。

もうひとつは音楽に関すること。
もはや昨年のことになるが、文化庁に設置された文化審議会著作権分科会「著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会」の場において、昨今隆盛を極める、いわゆるクラウドサービスにおける著作物の取り扱いに関する議論が行われてきたわけだが、その中で、音楽関連の三団体、すなわち一般社団法人日本音楽著作権協会、一般社団法人日本レコード協会、そして実演家著作隣接権センター(CPRA)の三団体による音楽の集中管理が提案された。この委員会の中では、コンテンツの訴求力を利用するビジネスの拡大だけに着目した、随分手前勝手なご意見もあったが、結果として三団体が提案した集中管理の方向性が、関係する方々のご支持を得るところとなった。
ご承知のとおり、私的もしくはそれに準ずる領域における著作物の複製に関しては、著作権法30条によって権利者の権利が制限されているが、昨今展開している様々なクラウドサービスにおいては、その範囲を逸脱するものが混然として提供されている実態がある。この実態に対して、ユーザーの利便性を損なうことなく集中管理の充実で応えていこうという提案を、なによりも権利者サイドから出せたことは、とても大きな意味を持つ出来事だった。一方で、その実際の中身を作っていくという作業が、本年度、まさに2015年に課せられた大きな課題となっている。

このことと同時に、ユーザーが私的に自由に行うことができる複製の対価の部分を、いったいどのようにクリエーターに還元していくかという、いわゆる私的複製に係る対価の還元の部分についての議論を並行して行っていかなければならないが、現行法で定められている私的録音録画補償金制度はもはや機能しておらず、それに代わる新たな制度の導入が急務ではないかと考える。この問題は、文化庁の同じ小委員会での次のテーマとして議論されていくことが決まっているが、申すまでもなく、文化というものは社会に希望や活力を与える大きな源泉だ。一方でコンテンツビジネス、とりわけ音楽ビジネスでの果実の目減りは世界のどこの国でも抱える大きな問題であって、クリエーターに戻されるリソースの枯渇を何としても食い止めなければならない。
そのためには、利用の円滑化に資する集中管理の推進と同時に、社会が文化を継続的に支えていく還元の仕組み、そうした制度の再構築が不可欠である。
また、クラウドの問題も私的複製の問題も、コンテンツの吸引力から利益を上げる関係者がコンテンツにただ乗りするのではなく、応分のリスクをきちんと負担していくような、そんな国民的合意を作っていかなければならないと考えている。

こうした着眼点に立ち、今年も一年間仕事をしてまいりたいと考えているが、一方で、毎年申し上げている通り、感動と共感を生む作品が、権利や社会制度などから生まれるわけではないというのも真実。そうした作品を生み出す力を持った方々をしっかりとサポートしていくこと、またアナログからCD、配信に至る、いわゆる音楽の黄金時代に培われた、音楽をめぐる洗練された技術や精神性などの様々な財産を、この後に続く世代にきちんと伝えていくということも、MPNの重要な役割であると思っている。そのことを肝に銘じて、今年も自分たちの仕事をしていく所存である。

崎元讓副理事長
崎元讓副理事長

引き続き、ご来賓を代表して、文化庁 作花文雄長官官房審議官からご挨拶をいただいた後、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)菅原瑞夫理事長による乾杯のご発声で開宴しました。

和やかなご歓談の中、当会 松武秀樹副理事長がプレゼンターとなり、新春にふさわしく華やかで力強い「太鼓芸能集団 鼓童」(MPN会員)のパフォーマンスが行われました。当会を代表するキャラクターとして和のテイストは意表を突く演出でしたが、魂を突き動かされるような雄大なグルーヴに、惜しみない拍手が送られました。

締めには、当会 崎元讓副理事長が挨拶に立ち、ご来場いただいた沢山の方々に謝辞を述べるとともに、引き続きご指導ご鞭撻をお願いしたいとして、約2時間に及んだ「ARS NOVA 2015」を閉会しました。

気持ちを新たにして臨む2015年、新しい幕開けを飾る素晴らしい新年会となりました。